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ウメバチソウ(梅鉢草) [ウメバチソウ科]


289-11 ウメバチソウ科 ウメバチソウ属

以前はユキノシタ科とされていたが、最近の分類体系ではウメバチソウ科~Parnassiaceae~として独立している。2属があり、ウメバチソウ属のほかに中南米に分布するLepuropetalon属(1種のみ)がある。形態的には、花が単生で、雄しべ10本のうち5本が花粉をつくらない "仮雄しべ” になるなどの点でユキノシタ科とは異なる。ウメバチソウ属は、北半球の温帯から寒帯にかけての山地に50種ほどが分布するという。


ウメバチソウ属の花のつくり:

20-エゾウメバチソウ花.jpg

~エゾウメバチソウ~ 志賀高原平床湿原  (2016. 9.19)

花弁・萼片:5枚  雄しべ5本・仮雄しべ5本

上の画像では、雄しべ5本のうち2本は白色をした花糸を伸ばし、先端の葯が反り返っている。他の3本は花糸がまだ伸びずに楕円状の円盤となっていて、子房を包むように取り囲んでいる状態。その3個の雄しべに囲まれているため、雌しべは見えない。


21-エゾウメバチソウ花.jpg

~ウメバチソウ~  志賀高原平床湿原  (2016. 9.19)

画像は雄しべの葯が落ちた状態の花で、子房(花の中央部)がよくわかる。子房の先端に頂部が四つに別れた柱頭がある。仮雄しべが掌状に伸び、先端が球状になっているのがよくわかる。仮雄しべは花粉をつくらないが、その付け根部分に密を分泌するところがある。



ウメバチソウ属の分類 : 仮雄しべは上部が糸状の裂片となり、その数により分類される。

  ウメバチソウ(梅鉢草)    :仮雄しべは15~22裂、先端に黄色い腺体がある。

  エゾウメバチソウ(蝦夷梅鉢草):仮雄しべは9~14裂、先端に黄色い腺体がある。

  コウメバチソウ(小梅鉢草)   :仮雄しべは7~9裂、先端に黄色い腺体がある。

  ヒメウメバチソウ(姫梅鉢草)   :仮雄しべは3~5裂、腺体がない。





  1.ウメバチソウ ~ Parnassia palustris

11-11ウメバチソウ.jpg

ウメバチソウ(梅鉢草)

花茎には葉が1枚と花を1個付ける。


11-12ウメバチソウ_平床.jpg

雄しべ と 仮雄しべ

白く細長い円盤状になった雄しべ5本(うち1本は円盤状の部分が脱落している)。糸状に伸び、先端に球体を付けた裂片を何本か付けている仮雄しべが5本。


11-13ウメバチソウp平床.jpg

梅の花に似た花弁は平開し、その中心部に 雄しべ3本 と 仮雄しべ5本 がある

撮 影 :  志賀高原平床湿原  (2016. 8.23) 

Memo :   根出葉は柄があってハート形。高さは10-40cmで花茎には葉が1枚と花を1個つける。茎葉は茎を抱く。花期は8~10月で2cmほどの白色の花を付ける。北半球に広く見られ、日本では北海道から九州の山地帯から亜高山帯下部の日の当たりの良い湿った草地に生育。仮雄しべは1522裂し、先端に黄色い腺体がついている。





   2.エゾウメバチソウ ~ P. palustris var. palustris

12-11エゾウメバチソウ早池峰.jpg

エゾウメバチソウ(蝦夷梅鉢草)

雄しべの一つが花糸を伸ばし、子房から離れ始めている。開花してから雄しべが毎日1本づつ伸ばすという。この花は開花初日ということなのか。


12-14エゾウメバチソウp平床.jpg

 雄しべ5本のうち、3本が葯を落とし、2本は先端に残っている。


12-15エゾウメバチソウp平床.jpg

平開した花弁を上から撮る

雄しべの成熟状況の様子がわかる。右の2本の雄しべは葯が落ち始めているが、他の3本の雄しべが開いている途中。まだ柱頭がこの3本に覆われていて、自家受粉しないようになっている。


撮 影  :  1~2枚目:早池峰山麓 2012.8.11   3枚目 志賀高原平床湿原  (2016. 8.23) 

Memo :  亜高山~高山帯の湿った礫地や草地などに生え、茎の高さは5~20cm。茎頂に、直径約1.5cmの白色の花を1個上向きにつける。花弁は5個に深く裂け、雄しべ5個と花粉を出さない仮雄しべがある。仮雄しべはそれぞれ掌状に9~14裂し、先端に黄色い腺体がついている。



    3.コウメバチソウ ~ P.arnassia palustris var. tenuis ~

13-11コウメバチソウ大雪黒岳.jpg

コウメバチソウ(小梅鉢草)


13-13コウメバチソウ大雪黒岳.jpg

開花し始めたばかりの コウメバチソウ


13-15コウメバチソウ大雪黒岳.jpg

茎葉は茎を抱き心臓形で根生葉には長い柄がある


13-21コウメバチソウドロミテ.jpg

撮 影  :  1~3枚目:大雪山黒岳 2012. 7.26.  

        4枚目    :ヨーロッパアルプス~パステルツェ氷河跡~  (2016. 7. 8) 

Memo : ウメバチソウの高山型の高山植物。ウメバチソウより全体的に小型だが、区別が難しいといわれている。北海道から中部地方以北の高山帯に生育。仮雄しべは掌状に7~9裂し、先端に黄色い腺体がついている。



☆ 対比 ★ ・・・ ウメバチソウ(左) ・ エゾウメバチソウ(中) ・ コウメバチソウ(右)

~ 仮雄しべの本数の違い ~

15-1ウメバチソウp平床.jpg15-2エゾウメバチソウ早池峰.jpg15-3コウメバチソウドロミテ.jpg

仮雄しべの数(左から)  ・・・ 16本  13本  8本 ・・・



次回へ ・・・・・ 続きます。


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